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探究学習を始める前の「準備運動」 その1

こんにちは。
英数学館中高の副校長の土屋です。

探究学習とは何か。教科学習の時間を調整したり、時間割を工夫してでも、なぜ学校で行う必要があるのか。

そんな「正解のない問い」を文字通り「探究」しながら、今回も皆さんと一緒にこれからの時代に必要な教育のカタチを考えていきたいと思います。

「世界は正解のない問いに溢れている」が、それでも正解を待ち続ける子どもたち

まるで某テレビ番組のタイトルみたいですが、日本も含めて、地球上にはさまざまな問題が溢れており、どんなに有名な学者さんでも、世界各国のリーダーでも解決できていないことばかりです。

そして、大半の生徒(いや大人も)は、それらの問題が自分の人生と関係のあることだとは思っていません。

つまり、生徒たちにとっては「悪気なく他人事」なのです。

しかし、現在世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスのように、いざ自分の生活に影響や被害が及ぶと、慌てて対処しようと頭の中の情報を整理したり思考し始めたりしますが、日頃、自分の頭で考えることに慣れていないので、現代の子どもたちは、大人に反発するでも、パニックになるでもなく、彼ら彼女らにとって「最も慣れた手法」を素直に選択します。

それは、身近な大人の指示に従うことです。

近年、中学も高校も、かつてのように面と向かって教員など大人に反発する生徒はほとんどおりません。

逆に大人の言うことを素直によく聞いてくれます。それはそれで、教師としてありがたく思う反面、本当にそれでよいのだろうか、と怖くなることもしばしばです。

なぜかと言えば、新型コロナウイルス然り、地球温暖化然り、地球上に存在するほとんどの問題について、教員もどのように対処したら良いか、いわゆる「正解」を知らないのに、生徒たちは素直に我々からの指示をじっと待ち続けてくれているのです。

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教師も実は大半の問いに答えられない存在であることをさらけ出す

探究学習、つまり正解のない問いに向き合う活動を学校に導入するということは、基本的には、教師も生徒と同様の存在、言うなれば「門前の小僧」として、共に学ぶ立場であるべきだと考えます。

これまでのような、「教師=教える者」「生徒=教わる者」という関係性から離れ、「先生も分からないので、一緒に学ぼう」という素直な姿勢で臨めるかが探究学習のスタート地点であるように思います。

しかしながら、教員の中には「そんなことをすれば、生徒から舐められる」と本気で心配する人もいます。

ただ、私のこれまでの経験において、生徒は単に「教員が無知だから」という理由だけで軽蔑することはありませんでした。

生徒が教師を尊敬できなくなるときは、大抵、その「人間性」や「生き方」に疑念を抱いたときです。

特に日頃の生徒への発言と自身の行動が明らかに言行一致しない教員に対して、厳しい目を向ける傾向を強く感じます(これはどの世界でも一緒ですよね)。

逆に、教師として成長しようと向上心をもって努力している教員を生徒たちはすぐに見抜きます。

そのような観点からも、子どもたちは、実に公平で、かつ素直な目で、いつも私たち教員を見てくれています。

社会は想像以上に「無知」「勉強不足」に厳しい

探究学習というと、いきなり校外の方々との協働を考える教員もおりますが(かく言う、かつての私です)、大抵お叱りを頂戴するか、1回限りのお付き合いで終わりになるパターンに陥りがちです。

基本的に、校外の方々は「お暇ではない」ということです。

大抵が日中の時間の活動となりますので、ご自分の仕事の手を休めて教育活動に手を貸して下さるのですが、その分、先方にもメリットといいますか、ある種の「喜び」や「感動」を覚えて頂けなければ、次の機会に繋がりません。

感動どころか、「後悔」や「落胆」されることもありました。その原因のひとつとしてよく挙げられるのが「生徒の勉強不足」です。

いや、教員の勉強不足に対する指摘も度々頂戴しました。

ビジネスでも、初めてお会いする方との面会の前には、その方のことはもちろん、関連する業界のことなどを事前に調べ、勉強していくことは当たり前ですし、最低限のマナーでもあります。

高校生とはいえ、このプロセスを飛ばして現場に臨みますと、相手の方は「高校生だから仕方ない」とは頭では思いつつも、それでも先述のように「お暇」な訳ではありませんので、心からご納得いただけることは少なく、決して甘くはないという実感です。

教科書に載っていないことを共に学ぶ

校外の方々が厳しく「勉強不足」を問われるのは、教科書に載っている内容というよりむしろ、「一般教養」的な事柄に対する知識不足です。

「ニュースとか見てないの?」
「新聞によく書いてあるじゃない」

といったお言葉を度々頂戴するわけですが、そもそも日々の各教科の授業の中で最近のニュースを取り上げるようなことはほとんどありません(言い訳かもしれませんが、学習指導要領に記載された範囲を網羅するだけで手一杯です)。

校外との協働的な学びを志向する場合、教科書に載っていないこと、つまり、日々のニュースや社会について学んでおくことは必須です。

これが本格的に探究学習を始める前の「準備運動」として極めて有効であると私は考えています。


次回は、現在進行形の世界や社会をいかにして学ぶか、いくつかの方法をご紹介いたします。

最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。子供たちのミライが最高の彩りに満ち溢れたものになるよう、私たちも様々な可能性を信じてチャレンジし続けていきますので、何か気になることや質問などありましたら、お気軽にお声がけください。

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