英語教育15年。辿り着いた小1から始める英語基礎教材
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英語教育15年。辿り着いた小1から始める英語基礎教材

「日本人の英語力はなぜ低い?英語に浸るイマージョン教育ってなに?」ではイマージョン・プログラムについて触れました。

現在日本でイマージョン・プログラムを実施している学校は十数校ありますが、英数学館が英語イマージョン・プログラムを取り入れたのは今から14年前、2007年4月です。

世界が急速に情報化・国際化へと進む中、グローバル教育や国際交流などの実践を通じて、日本文化への理解と国際的な視点を有する国際社会の担い手を養成することを目的として先進的にスタートさせました。

余談ですが、以前アメリカの大学に留学していた際に、いろんな国から留学してきた学生たちから、

・天皇はエンペラーなの?キングなの?
・なんで日本人は神風特攻隊のような精神が持てたの?
・神道について興味あるんだけど教えて
・Japan as number one読んだんだけど、日本の1970年代の経済成長が実現できたのってどうして?
・なんで日本人は災害とか自分自身も混乱の中でもちゃんと列に並んで待ってられるの?

のような、文化や芸術、信仰、経済などについて幅広く質問を受けることが多々ありました。英語は多少なりとも喋れたものの、何一つまともな回答ができなくて、自国のことをもっと知りたいと思うきっかけになりました。
同じような質問を留学生に投げかけると、まるで自分が見てきたかのように生き生きと自分たちの文化や思想についてプレゼンをするんです。

なるほど!国際社会で生きていくってことは色んな国の人達とうまくやるとか、英語が喋れるとかだけではなくて、生まれ育った自分自身の根っこをちゃんと持って、教養や思想や信じるものを持ってはじめてコミュニケーションを通じて相手と対等になれるんだと感じたことが思い出されます。今となっては当たり前のことが、ストンと腹に落ちた瞬間でした。


しかし当時は、「イマージョンって何?」「何を教えてくれる学校なの?」「英語に浸るってどういうこと?」などあまりになじみがない言葉に、まず児童を集める段階から容易ではありませんでした。

それから約15年が経ち、さまざまな失敗と成功を繰り返し、教職員・児童生徒ならびに関係者の努力のおかげで、今日では「英語イマージョン・プログラム」という言葉の認知度がずいぶん上がってきたように思います。

それに伴うように、2020年から小学校の英語必修化などの英語教育改革が本格化してきました。

入試や学校の授業に与える影響の大きさもさることながら、現代のグローバル社会において英語の重要性はますます高まり続けています。

これからの英語イマージョン・プログラムでは、今より一歩も二歩も進んだ取り組みをすることが大切です。

今回は英数学館小学校が取り入れている英語教材のご紹介をしたいと思います。

1.読み書きのための完璧な基礎教材!

「生きた英語」を習得するための教材のひとつにJolly Phonics(ジョリーフォニックス)・Jolly Grammar(ジョリーグラマー)があります。

読み書きの学習ステージは大きく次の2つに分けられています。

フォニックス  読み書きの基礎となる力をつけるステージ
グラマー よりよいコミュニケーションのための幅広いスキルを習得する

ジョリーフォニックスはイギリスで考案され、世界100か国以上の学校で採用されています。小さな子どもたちが日本語を覚える時期にジョリーフォニックスを学習することで、効果は格段に上がります。

ジョリーグラマーは文法のみを扱うものではなく、ジョリーフォニックスをベースにしたスペリングでの学習が、子どもたちの負担にならない程度に組み込まれています。

英数学館小学校ではジョリーグラマー1~5を各学年で学習します。

まず今回の記事ではジョリーフォニックスについて解説していきます。

2. Jolly Phonics

ジョリーフォニックスとは、読み書きを習得するための完全な基礎を学ぶための教材です。

幼い頃から「繰り返し反復すること」で、初めて見る単語でも読むことができ、また聞いただけで綴りを書く事ができるようになると言われており、その後本を読み始めたり、文章を書いたりする際の、大事な基礎となります。

また、幼い子どものために、様々な工夫が凝らされたアクティビティを通じて、楽しく学ぶことができます。

楽しく多感覚な方法で文字と音を教えるシンセティックフォニックス法を用いています。

子どもたちは、読み書きをするために文字の音をどのように使うかを学びます。

文字の音そのものの指導から始まり、子どもたちが自分の力でそれらの音をシンセサイズ(結合)して単語を読めるように指導していきます。

子どもたちは、言葉を読み書きするためにどのように文字(綴り)の音を使うかを学びます。

読み書きのための5つの基本技能
① 文字(綴り)の音を覚える
② 文字の形を覚える
③ ブレンディング
④ 単語の中にある音を識別する
⑤ ひっかけ単語を正しくつづる


①「文字(綴り)の音を覚える」

ジョリーフォニックスでは、26個のアルファベットのみでなく、英語の主要な音42種類のすべてを学習します。これらの音は6つずつ7つのグループに分けられています。

eeやorのように二つの文字で表記されるdigraph(ダイグラフ)と呼ばれるものも、この42種類の「文字(綴り)の音」には含まれています。

さらにダイグラフの中には、例えばbookやmoonの中のooやthatやthreeの中のthのように一つの表記で二種類の音を表すものもあります。

ジョリーフォニックスでは、二種類の音を区別するために下のように書体で表記されています。

文字の「名前」ではなく文字の「音」で学ぶことも重要なポイントです。

それぞれの「文字(綴り)の音」には、子どもたちが覚えやすいように固有のアクション(動作)が用意されています。

例えば /s/ の音では散歩に出かけてヘビに出会い、ヘビがS字でくねくね逃げていくように手を動かしながら /sss/ の音を発音するように、42種類すべての「文字(綴り)の音」ごとにアクションがあります。

ジョリーフォニックスでは「お話」「アクション」「発音」を組み合わせ、効果的に指導を進めていきます。

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②「文字の形を覚える」

子どもたちが言葉を書く準備ができるようになる前に、それぞれの文字の正しい筆順を学び、まず文字を正しく形成できるようにならなければなりません。

筆順の間違いやすい文字の例を挙げてみましょう!

・ O:筆順は反時計回り、時計回りではない
・ d:文字の書き始めは一番上ではなく、真ん中から
・ m,n:最初に左上から下に書き下ろさなければならない

鉛筆の正しい持ち方を指導することは、とても重要です。子どもたちが間違った持ち方を最初に覚えてしまうと、後々矯正することは難しくなります。


③「ブレンディング」

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ブレンディングとは、文字と文字をつなぎ合わせて一つの単語として読むことです。

単語に含まれる「文字(綴り)の音」を一つずつ発音し、それらの音を結合させて単語を発音するスキルのことです。

例えば、bag(かばん)という単語はb-a-gという個別の音を結合させて読む方法がそれにあたります。
「文字(綴り)の音」をすばやく発音しないと単語には聞こえません。

ブレンディングは読解には欠かせないスキルです。

先ほど②「文字(綴り)の音を覚える」でお話しした/sh/のような二つの文字で表記されるダイグラフは一文字ずつ(s-h)発音するのではなく、必ずダイグラフで一音(sh)として発音しなければなりません。

例えばrainはr-a-i-nではなくr-ai-n、feetはf-e-e-tではなくf-ee-tというように練習により、単語の中のダイグラフを一音としてブレンディングできるようになります。

子どもによっては時間がかかることもありますが、どの子も「繰り返し練習する」ことでどんどん上達していきます。

はじめは難しいですが、少しずつ何度も練習していきましょう!


④「単語の中にある音を識別する」

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単語をどう綴ればいいかを知る一番簡単な方法は、その単語の中の音にしっかりと耳を傾けることです。この方法はセグメンティングといい、ちょうどブレンディングと逆のことをすることになります。

最初と最後の音に挟まれた間の音は一番聞き取りにくいので、まずは単語の一番初めの音を聞き取らせ、それができたら次は一番終わりの音を聞き取ります。

最初は先生が単語を読み上げた後、それぞれの音を個別に読み上げて子どもたちに理解させます。catやhotのような分かりやすい3文字3音単語から始まります。

こうして音を聞きとって、単語を文字で表せるようになります。


⑤「ひっかけ単語を正しくつづる」

英単語の中にはsaidやwas、oneのようにブレンディングによって読むことのできない不規則なものがあります。

こうした単語の不規則部分は暗記するしかなく、ジョリーフォニックスではこれらの単語を“tricky words”(ひっかけ単語)と呼んでいます。

ひっかけ単語の綴りを覚える方法はいろいろあります。

・見て隠して書いて、チェック
・音の通りに発音する
・語呂合わせを利用する
・筆記体でつなげて書くこと

などの学習法で、ジョリーフォニックスでは72のひっかけ単語を覚えていきます。

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3.フォニックスの役割

フォニックスは、英語圏の子どもたちが英語を学習するために重要な役割を果たしています。

そのフォニックスを使って学習した子どもたちは、ある調査では平均よりも1年分進んだ英語力を身に付けたとの結果が示されています。

フォニックスを知っていると初めての単語でもある程度正しく発音でき、スペリングしやすくなるため、英数学館小学校では、英語経験ゼロの子どもたちが基礎からしっかりと学べるように、1年生に入学した時点からジョリーフォニックスを取り入れています。

次回は2年生から6年生の教材、ジョリーグラマーについてお話していきたいと思います。

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