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(国際バカロレアの真髄TOK第2弾)結論より結論にたどり着くまでのプロセスが重要

こんにちは。英数学館の渡辺です。

IBシリーズ第二弾、前回の「自分なりのものの見方を育てる国際バカロレアの真髄TOK」に続き、栢野先生によるTOKのお話をお届けします。

が!

私自身もnoteを書くにあたり毎回思うんですが、IBって本当に分かり辛い!
カリキュラムや内容もそうなんですが、まず出てくる言葉一つ一つ覚えることが本当に大変で…

その分かり辛い言葉、アルファベット1つ1つに大切な意味があってそれを覚えずしてIBを語ることはできません。

今回はよりTOK「Theory of Knowledge(TOK:知の理論)」を掘り下げて、TOKにとって欠かすことのできないWOKとAOKについてのお話になります。


Ways of Knowing(WOK)ってなに?

まず、Ways of Knowing(WOK)とは、人が何かを理解しようとするときに用いる8つの「知るための方法」です。

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この8つの方法で、人の理解とか人の知識っていうのを説明することができるんです。

と言っても、これだけでWOKを理解するのは難しいですよね。

例えば、1回目にお話しした地球の話

太陽の周りを地球が回っているって知っていますか?なんでそれを知っているって言えるんでしょうか?って問うと、ほとんどの人が「習ったから」と回答します。
でもよく考えると、それを見たことがある人はいなかったり、地球のほうが回ってるということを、いまだに違うと言う人もいたり、当たり前って思っていることが、実際は正しいのかっていうことは本当は分かりませんよね。
なんでそれが正しいと言っているのか、ってことを考えるのがTOKなんです。

にWOKを当てはめると、太陽の周りを地球が回っていることを、実験のデータを見る中で「そう考えるほうが妥当だろう」と判断する人がいたら、それはデータという理屈を用いているので『理性』を使って知るということになります。

「地球が回っているところをイメージできない」と言う人は『想像』を使って理解をしており、実は回っていないかもしれないね、と言うかもしれません。

常識として知られていることでさえ、TOKの中では正解がどうかなんてどうでもいいわけですよ。そこは争わず、その結論にたどり着くまでのプロセスが重要なんです。

実はこのWOK、来年度から始まる新TOKのカリキュラムでは、なくなってしまうんです。その理由は、WOKがあまりに優秀すぎたからじゃないかと僕は思っているんですよ。

何かを考えるときに、WOKを使えば公式みたいなものができて、議論が広まりきらない。枠を出なくなる。それ位よく考えられているんです。

僕が「TOKすごいな」と思ったところでもあるので新カリキュラムでは、要所にそれぞれの言葉が出てくるものの、明確にWOKとして扱われなくなったことは、とても残念です。

ですが、WOKを日常で用いて当てはめていくことで、他者理解につながっていくので今後TOKにかかわる方はもちろん、IBに一切関わらない方々にもおすすめの思考方法です。


Areas of Knowledge(AOK)ってなに?

Areas of Knowledge(AOK)は、いわゆる教科に相当しています。「世の中にある知識を分類すること」です。

現行カリキュラムでは8つあり、授業では複数を探究しなければならず、IBは6つを学習することが適切であると推奨しています。

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私たちはいくつかのWOKを組み合わせて使い、様々なAOKで知識を構築することで物事を理解しています。

領域の分け方は様々で、例えば考える対象によって分類したり、その領域で重要となるWOKをもとに分類したりします。

TOKで大事なのは分けられているということではなくて、どのようにして分けることができたのか、と言うことなんです。

「分かる」ことは「分けられる」ということ。

来年度から始まる新TOKでは領域を分けるための4つの観点(範囲・ものの見方・方法とツール・倫理)を明示し、比較・分析することを必須としています。この観点をTOKでは「知識の枠組み」と呼んでいます。

ここにも知識そのものだけを扱うのではなく、知識を取り巻く人々・自分自身に焦点を当てさせたいというIBの思惑が感じられます。あくまで知識は人の営みによって生み出されたもの、ということでしょうか。

さて、みなさんの身近にある知識を「知識の枠組み」で切り取った場合、どのような説明をされるでしょうか。


TOK教員が見た!実社会で活きるTOK

もう卒業した生徒なんですが、日常の中で生徒同士のもめごとがあったんです。その時に、もめごとという状況をWOKで説明をしてくれたことがありました。

その生徒が「あの人は感情の人だなって思いました。それが分かったから、声の掛け方とか、どういう物言いをしたほうがいいのかっていうことが見えてきて、自分の行動に活かすことができました。」って言っていました。

この生徒は、自分の目の前にある他者の感情や人間性というよく分からないものを、WOKを用いて知ることで理解し、分かるものとして持ってくることができたことで問題が明確になり、その後の問題解決もスムーズになったようです。

まさにこれが「TOKが実社会に活きた」っていう状況ですよね。
生徒たちの実情、日常の中にTOKって入っていけるんだ、っていうのをこの出来事により実感しました。

僕の中で一番印象的な生徒で、出来事でしたね。

この出来事からも分かるように、生徒はTOKを通して、他者を理解することで、相手を受け入れる気持ちとか、様々な価値観があることを知ることができるんです。

それがTOKの狙いの1つなんです。

そして、もう1つのTOKの狙いは、自分自身のことを客観的に見ることができるようになることです。世界の中には自分自身も含まれているから、自分って理性をすごく使う人だ、とか、こういう時に感情的になってるな、とか自分自身が大切にしていることに気づきやすくなると思います。自分はこう言われるといやな気持ちになるな、その時は感情的にぶつかられてる時だな、とか。

WOKを使うと自分のことも強制的に客観視できるようになるんです。

だから僕は、みんなTOKやったらいいのにって思います。そうすれば平和な世の中になるんじゃないでしょうか。

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次回は、Knowledge Questions(KQ)やReal life situation(RLS)といった、より実践的でリアルな社会に応用可能なTOKの考え方について、見ていきたいと思います。

最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。子供たちのミライが最高の彩りに満ち溢れたものになるよう、私たちも様々な可能性を信じてチャレンジし続けていきますので、何か気になることや質問などありましたら、お気軽にお声がけください。

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