4年目監督の奮闘記。ともに積み重ねた日々
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4年目監督の奮闘記。ともに積み重ねた日々

みなさん、こんにちは。
日本全国の高校球児の暑い夏が始まっていますね。

ここ、英数学館高校でも例外ではありません。

高校3年生は最後の夏。

今回は、球児たちとともに歩んだ野球部 黒田監督 が夏の大会初戦2日前となる、7月14日に書いた手記をお送りします。


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英数学館高校野球部 監督 黒田 元
大阪府堺市出身。内野手。
阪南大学高等学校を卒業後、指導者を目指し学生コーチとして東海大学へ進学。大学時代のチームメイトは菅野智之(現読売ジャイアンツ)、田中広輔(現広島東洋カープ)。大学卒業後は、東海大相模高校で2年間コーチを務めるなど、神奈川県で4年間高校野球に携わり、2016年4月より英数学館高校へ。コーチ・部長を歴任し、2018年度より監督に就任した。

はじめに

7月、野球部は夏の甲子園を懸けた県大会を迎える。

3年生にとって最後の大会でもあるこの大会は、秋・春とは違い独特の雰囲気、緊張感の中で戦っていくことになる。

今回は夏を戦うまでの歩み、「監督」自身の考え方の変化について書かせていただきたいと思う。


監督の「役割」とは

私は野球部の監督となり4年目になる。

今になって振り返ってみると監督就任当初は「勝ちたい」が頭の中の1番にあり、監督の役割を「勝利に導くこと」だと思っていた私は、野球部全体を見渡せていなかったような気がする。

正直自分の野球理論に根拠のない自信を持っていたし、それを選手に伝えきれたら結果は出るという考えを持っていた。

だが、今は全くそう思っていない。

「どうすれば部員が野球部を楽しいと思ってくれるか」「どうすれば部員みんなが幸せになるか」を一番に考え、活動に取り入れることが監督の役割だと思っている。

もちろん野球の技術指導も重要だが、それが1番ではない。過去の自分がどれだけ間違った考え方を持っていたかと思うと、その当時の部員に「もっと良い野球部生活を送らせてあげられたのでは」と申し訳なく思う。

それでもその当時の部員は今もよくグラウンドに顔を出してくれるから、私は本当に部員に恵まれていると思う。

もちろん、今が完璧な訳ではない。今も絶賛勉強中。

ただ3年前と今では自分の考え方に大きな変化があったことは間違いなく、そして野球部の活動がどんどん活発になったことも間違いないと感じている。

わかりやすく言えば、他校との練習試合で必ず言ってもらえるのが「雰囲気がすごく良い」という言葉。

この言葉が私を動かす原動力になり、そして今の英数学館高校野球部を表す言葉になっている。

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現3年生との歩み ~新チーム始動~

昨年7月、新チームが始動した。17人の2年生は自分たちで決めた学年スローガンを「個性爆発」としたことからも分かるように、私から見ても「まとまる」よりも「個人の長所をチームへ還元する」方が良いチームになるような気がしていた。

ただ、最初浮き彫りになったのは「他人任せ」の思考と、「俺がやらなきゃ」と思いすぎての空回り、この極端な2つが垣間見えた。

また、このチームは1年生大会福山地区において優勝という成績を収めていたため、「なんとなくやれるだろう」という甘さも見えた。

8月中旬の練習試合でコールド負けを経験し、何も上手くいかないという重い雰囲気が漂っていたが、私はこの状況こそチームが前進するチャンスだと思った。

学校への帰り道にスーパーで全員分の飲み物を買い、学校の駐車場でミーティングをした。

ミーティングといっても、足を崩して飲み物を飲みながら部員たちの本音を1人ずつ聞くという内容だった。

そこには「先輩たちのようにやろうと思ってもできない」「何をしたらいいか分からない」「正直楽しくない」などの言葉が出てきた。

一言でいえば「不安」だったと思う。

それに対して私は、「自分たちの色を作ればいいよ」と伝えた。自分たちが出来ていないことを整理することは大事だが、もっと大事なのは「自分たちの長所は何か」を知ることだと伝えたかった。

2年生の長所は「勢い」。それを自分たちで引き出せるように、失敗が出た時こそ盛り上げるという形がチームに浸透するきっかけとなった。

それと同時に私も「結果を見ずに心を見る」ことを強く意識するようになった。自分の役割に対してどう取り組むのか、そこの心の熱さを求めるようにして、結果で物事を言うのは辞めた。

そこから笑顔が増え、思い切りの良いプレーが増えていったように感じた。

あの駐車場でのミーティングは、このチームの1つのターニングポイントだったと思う。

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現3年生との歩み ~春を終えて夏へ~

春の県大会はベスト16という結果になり、目標であったベスト8に届かなかったが、春の県大会準優勝校と接戦をくりひろげたことで、敗れはしたものの、一定の手ごたえを感じることもできた。

しかし、春の県大会明け1日目の練習は最悪だった。みんな目が死んでいた。

夏に向けてもう1段階レベルアップが必要だと感じていたはずだが、どこかで満足しているようにも見えた。私はその日の練習をすぐ終わりにした。

今となっては「ミーティングから始めればよかった」とも思うが、心のどこかで「選手たちは自分たちでもう一回スイッチを入れてくれるはずだ」という期待もあった。

見事に期待通りにはならなかった。

2日後、グラウンドでミーティングをした。とにかく「自分の気持ちを本気で話そう」と思っていた私は、正直何を話したのかあまり覚えていない。

ただ「俺はお前たちと本気で野球して、本気の思い出を作りたいんや!」と言ったことと、その時泣きながら話していたのは覚えている。

やはりチームとして活動する以上、良い時、悪い時の波はある。しかしその波の幅を小さくして上へ上へと向かうことはできると思っている。

夏に向けてここからまた良い波を作れたような気がしている。

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最後に

英数学館高校野球部は「熱い」と思う。

みんな野球を好きで始めてここまで頑張ってきたのだから、高校野球を通じて更に野球を好きになってもらいたい。

そのためにはまだ見たことない景色を見ることや、新たな自分に出会うためのきっかけを監督がたくさん提供できればいいと思っている。

この夏、どんな結果になるかは分からない。でも、結果じゃない。

共に積み重ねた日々を胸に、この大会を通じて共に成長できる「楽しみ」の方が大きい。

本気で戦い、本気の思い出を作る。

英数学館高校野球部はそんな野球部であり続けたい。

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最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。子供たちのミライが最高の彩りに満ち溢れたものになるよう、私たちも様々な可能性を信じてチャレンジし続けていきますので、何か気になることや質問などありましたら、お気軽にお声がけください。

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